FIREにおける「誰得問題」とは
「早期リタイアをして自由を手に入れることができる」と、ワクワクしながらFIRE生活に思いを馳せて舞い上がる本人。
しかし、その家族にとってみれば、経済的不安を拭い去ることはできず「このまま働き続けてくれれば定年退職までに数千万円以上の収入があるのに」と機会損失ばかりが気になってしまいます。
当然もらえるものと思っていたものがもらえなくなるのですから、家族が損をした気持ちになってがっかりするのは当然ですよね。
つまり、基本的には本人と家族との間では利害が一致していないわけです。
まずそこを抑えた上で、どうやったら家族にもメリットを感じてもらい納得してもらえるか、一緒に同じ方向を向いてもらえるか、を考えていきましょう。
王道は「夫婦FIRE」
夫婦で話し合って一緒にFIREを目指す、同時にFIRE生活に入る。
うん、素晴らしいですね。これが理想型であることは間違いないでしょう。
ただし、どちらかが「定年まで働き続ける」というライフスタイルを望む場合は、夫婦FIREはなじみません。
どちらかが働き続ける「専業主夫FIRE」「専業主婦FIRE」
夫婦でFIREするよりもどちらかが働き続ける方がFIRE生活は安定しますので、どちらかが働き続けることを望む場合は無理に夫婦でFIREを目指す必要はありません。
次のようなメリットもあります。
この場合、一方は昼間働いているわけですから、必然的に専業主夫なり専業主婦の役割を担わざるを得ない状況になります。
「生活費は負担しているのだから、家事・育児は平等に」という主張も一定の理屈はありますが、家族の納得感は皆無でしょう。
「家事・育児は自分が中心になって回すから」という前提で、FIREしてどんな過ごし方をしたいのかを家族に丁寧に説明して理解を求める姿勢が必要でしょう。
副業もする「兼業主夫(婦)FIRE」
家族に理解してもらうためには、FIREしてまで何をしたいか、を説明することが重要です。
その際、やりたいことが収入を伴うものであれば生活が安定するのでより理解を得やすいでしょう。
副業としてある程度の収入(キャッシュフロー)を継続的に見込めるのであれば、より低いハードルでFIREが可能になるというメリットもあります。
FIREを強行したせいで家族がギスギスしてしまっては元も子もありません。
家族にもメリットを感じてもらえるような、円満なFIRE生活を送りたいものです。