こんにちは、FIRE 父さんです。
金融リテラシーのおかげで早期リタイアを実現できたFIRE 父さんですから、子どもにも金融リテラシーを高めてほしいと願っています。
今回の記事は「ジュニアNISAを活用して子どもの金融リテラシーを高める方法」がテーマです。
2023年末に廃止されたジュニアNISA制度。学資保険のように子どもの教育資金を貯めるための制度というイメージの強い「ジュニアNISA」ですが、実は「投資教育」として子どもの金融リテラシーを高めるために活用することができます。
今回の記事は、FIRE 父さんが我が子に語りかけるような文章でお届けします。
子どもの金融リテラシーを高めるためには、単なる知識を与えるだけではなく、親の想いや経験を伝えることが大切です。
この記事を参考にして、ぜひご自身の想いや経験を子どもに伝えてみてください。
人生100年時代を実感しつつ「複利のパワー」を知ってほしい
今日は大事な話がある。「お金」の話だ。
唐突だけど、まずは簡単なクイズから始めるぞ。
- 生まれたばかりの赤ちゃんが100万円のお金をもらったとします
- その赤ちゃんは投資をして、毎年5%ずつお金を増やしました
- 赤ちゃんが100歳になった時にお金はいくらに増えているでしょうか?
答えを、次の中から選んでください。
(1)270万円 (2)1,100万円 (3)5,000万円 (4)1億3,200万円
正解は「(4)1億3,200万円」です。
100年という長い時間をかけることで、100万円のお金が100倍以上(132倍)に育つんだ。
ちなみに、
- (1)270万円:20年後
- (2)1,100万円:50年後
- (3)5,000万円:80年後
- (4)1億3,200万円:100年後
です。
後半になるほど、増えるペースが爆発的に上がることがわかるね。
これがアインシュタインが「人生最大の発明」と読んだ複利のパワーだ。
ところで、「100歳までは長生きしないんじゃないかな」と思った?
実は、日本人の平均寿命は年々伸びているんだ。
「人生100年時代」と言われるようになったから、今の子どもたちは100歳以上生きるのが当たり前と考えた方がよいかもしれないね。
若いうちに投資を始めることのメリットを知ってほしい
では、次のクイズです。
- 20歳の時に100万円のお金をもらったとします
- 20歳から投資を始めて100歳までの80年間、毎年5%ずつお金を増やしました
- 0歳から始めた場合と比べて、100歳の時にどれくらい差が生じるでしょうか?
答えは、次のうちどちらでしょうか。
(1)170万円 (2)8,200万円
正解は「(2)8,200万円」です。
0歳から20歳までの間に100万円が270万円に増えるから「(1)170万円」の差が生じると考えるのは誤り。
実際には、1億3,200万円(100年後)と5,000万円(80年後)との差額になるから「(2)8,200万円」が正解なんだ。
どう?
できるだけ早く投資を始めることで、人生の終盤には圧倒的な差がつくことがわかったよね。
投資でお金を増やすには
- 早く投資を始めて
- 長く投資を続ける
ことがコツだよ。
早く投資を始めても頻繁に売買を繰り返してはダメ。
適切な投資先を選んで、長く長く投資を続けることが大切なんだ。
サプライズ!ジュニアNISAをプレゼントする
できるだけ早く投資を始めた方が良いと聞いて焦ってしまったかな。
20年で8,200万円も違うのだから、焦る気持ちはわかるよ。
それとも、他人事(ひとごと)と感じたかな?
ここでサプライズがあるんだ。
実は、父さんはあなたが誕生してすぐお金をプレゼントしたんだ。
そして、こっそりと投資を続けてきた。
いくらプレゼントしたと思う? 次の中から選んでみて。
(1)80万円 (2)100万円 (3)160万円 (4)400万円
正解は「(4)400万円」です。
父さんがあなたにプレゼントした金額は400万円だ。
100万円の4倍だから、
- 20年:270万円×4=1,080万円
- 50年:1,100万円×4=4,400万円
- 80年:5,000万円×4=2億円
- 100年:1億3,200万円×4=5億2,800万円
という計算になるね。
あなたが100歳になった時に5億円以上に増えている。
これは決して夢物語じゃないぞ。あるかもしれない未来だ!
18歳になって成人したら、使い方はあなたが決めるんだ。
どのようにお金を使うかはあなた次第だからね。
毎年5%ずつ増えるのは本当? ジュニアNISAの運用実績を伝える
ところで、お金が毎年5%ずつ増えるって本当かな?
銀行に預金しても利息が1%もつかないのは知っているよね。
実は、株式に適切な方法で投資を行えば、毎年5%程度は増えると言われているんだ。
実際に、あなたの400万円がどう増えてきたかをグラフで見てみよう。
ちなみに、
- 緑色の線は「投資額」。毎年80万円ずつ、5年間かけて合計400万円を投資した
- 赤色の線は「年5%ずつ増える場合の金額」。赤色の線を実績が上回れば成功だ
- オレンジ色の棒は「時価評価額」。実績を表している
グラフを見ると、2016年から投資を始めて2023年までの8年間で
- 400万円の投資額が680万円に増えている
- 投資額の1.7倍だから70%増えたことになる
- 赤色の線を大きく上回っているから、年5%以上増えている
ことがわかるね。投資は大成功だ。
しかし、これはうまくいき過ぎている。だから続かない。
もしあなたが将来投資を続けるつもりなら、次のことだけは必ず知っておくべきだ。
- 株式への投資にはリスクがつきもの。損をすることがある。
- 具体的には、10年に一度くらい大暴落が発生して50%くらい下落することをイメージするといい。
- 下落するとすぐには戻らず、年単位の時間をかけてゆっくりと回復していく。
- つまり、今回の70%程度の利益は簡単に吹き飛ぶかもしれない。
- そのように大暴落を経て、長い期間では年5%ほどの水準で増えていくんだ。
短い期間では損をする可能性が比較的高いから、長い時間をかけてじっくりと増やしていく必要がある、ということだね。
一般的には、適当な投資商品を選んで15〜20年以上保有すれば、損をする可能性はほとんどないと言われているよ。
お金の使い道。教育資金について子どもと一緒に考える
プレゼントしたお金は自由に使っていいと言ったけれど、実は大学に通うためには多額の費用がかかる。
だから、父さんはもともとは大学の費用として、お金をプレゼントしようと決めたんだ。
学費はかかるけれど、大学に通うことによって生涯賃金はむしろ増えるから大学には行ったほうがいいと考えているからね。
ところで、社会人としてスタートするとき、大きく3つのパターンがあることを知っているかい?
- 返済すべき奨学金(借金)を背負って社会人スタート
- 借金も蓄えもない社会人スタート
- 蓄えのある社会人スタート
の3つだ。
アメリカでは奨学金返済という重い負担を背負って社会人スタートするのが当たり前だし、日本でも奨学金を返済しながら働いている人は少なくない。
父さんは早期リタイアして好きに生きているから、教育資金くらいは負担して借金を背負わずに社会人スタートさせてやりたかったんだよ。
だから、プレゼントしたお金だから成人したら好きに使っていいけれど、できれば学費として使って欲しいな。
・・・と、考えていた時期が父さんにもありました。
実はその後、考えを変えたんだ。
お金にゆとりのある社会人スタートを切らせてあげられないかな、と。
つまり、大学などの教育費は別に負担するから、幼い頃にプレゼントした400万円は自由に使って構わないということだよ。
でも、若いうちに大金を受け取ることが人生に悪影響を及ぼさないか心配もしている。
だから大学などの教育費をどちらが負担するかということは、お互いによく話し合って決めていきたい。
望まないお金を押し付けて、あなたの人生を台無しにするようなことはしたくないからね。
非課税投資のすすめ。税金や社会保険料負担は賢く抑える
ここで、水を差すような話をしなければならない。
実は、投資で得た利益には税金がかかるんだ。税率は約20%。
100年後に5億円の利益が出るとすれば、1億円は税金として納めなければならない計算になる。
「20%も税金で取られるなんて高すぎる!」と感じるだろうが、日本の公的負担率は40%を超えているから実は20%という税率は優遇されている方なんだ。
とはいえ、税金や社会保険料の負担は賢く抑えることが大切だよ。
投資には、非課税投資制度があるからそれを活用しない手はないね。
そして、あなたにプレゼントした400万円は「ジュニアNISA」という非課税投資制度を利用しているんだ。
だから、これまでの利益は非課税だし、あなたが18歳まで、正確には高校3年の12月末までは非課税で投資を続けることができるよ。
18歳になると自動的に課税口座に移されるから、18歳からの利益には20%ほど課税されるから注意してね。
18歳になったら成人だから、あなたが自分の判断で資産を管理することになる。
もちろん、父さんも必要なアドバイスは惜しまないよ。
投資を続けるなら、NISA(少額投資非課税制度)を利用するといい。
NISAはジュニアNISAと違って期限がないから、複利パワーを活かして長く、それこそ100歳まで非課税で運用を続けることだってできるんだ。
高校3年の1月からNISAを利用することができるようになる。
高校3年の1月は忙しい時期だろうけど、なるべくその年のうちにジュニアNISAの資産を売却してNISAに乗り換えることをおすすめするよ。
NISAの生涯投資枠は1,800万円だから、ジュニアNISAの売却収入は生涯投資枠の範囲内には収まるだろう。
だから、ジュニアNISAで育てたお金は生涯にわたってすべて非課税で運用を続けられる。
ただし、ジュニアNISAのお金は1,000万円前後には育っているだろうから、年360万円の非課税限度額の範囲で何年かかけてNISAに乗り換える必要はあるよ。
ジュニアNISAの投資戦略。何に投資するか?
そういえば、ここまで投資戦略について説明していなかったね。
父さんの投資戦略はシンプルで、投資の最適解とも呼ばれる方法だよ。
- 全世界株式を対象とした低コストのインデックスファンドに投資して、
- そのまま売却せずに15〜20年以上運用を継続する
これだけ。一度投資したら、短期的な値動きは気にせずにじっくりと長期的な上昇を狙うやり方だね。
株式投資というのはお金を会社に提供することだから、全世界株式に投資することによって世界中の会社にお金が回るんだ。
自分が投資したお金が世界中の人々を豊かに、幸せにすると考えたら素敵じゃないかな。
ジュニアNISAの使い道。父としての願いを伝えて子どもに判断を委ねる
最後に、お金の使い道について話そう。
あなたが18歳になるまでは親権者として父さんがジュニアNISAの資産を管理する。
しかし、18歳になり成人したらあなたが自分でお金をどのように使うのか判断しなければならない。
だから、何に使うのかはあなたの決断次第だけど、父としての願いや想いを伝えておくよ。
- あなたにプレゼントした400万円のために、父さんは1年間余分に働いたことになるけどまったく後悔していない。あなたがうまく使えば「複利パワー」によって、あなたの人生は劇的に向上するからね。
- あなたのお金は楽天証券で投資している。あなた名義の口座だから実際に見せてあげるよ。ただし、こまめにチェックするのはおすすめしない。値動きが気になって生活に支障が出る可能性があるからね。学生の間は、投資しているのを忘れているくらいでちょうどいいと思うよ。
- 大学の教育費は負担するから「蓄えのある社会人スタート」を選択して欲しい。蓄えのある社会人は、①奨学金の返済がない、②リボ払いなどの借金をしなくて済む、③いざという時の備えがあるから不要な生命保険料を負担しなくてよい、など多くのメリットがあるんだ。
- 18歳になったらジュニアNISAのお金はNISAに乗り換えてしばらくは運用を継続して欲しい。全世界株式を対象とした低コストインデックスファンドに投資するのがおすすめだ。35歳から40歳頃になれば大金に振り回されることもないだろうから、自分のライフプランに基づいて使うなり、増やすなりしてくれ。35歳から40歳頃までは「眺めるだけのお金」だ。大暴落の時期になっても落ち込んだりせずに、放っておけばいい。いずれは回復して上昇するだろうから投資の良い経験になる。
- おすすめの使い方は、老後資金だ。ジュニアNISAの資産に手をつけなければ老後資金としては十分だろうから、自分で稼いだお金は使い切って人生を存分に楽しむといい。父さんはお金の使い方が下手だから、若いうちからお金を上手に使う訓練をした方がいいだろうな。死ぬまで貯めたお金を使わない人は存外多いものなんだ。
- あるいは、父さんのように早期リタイア(FIRE)するのもいいだろう。人生100年時代だから100歳以上生きることを想定して素敵なライフプランを描いてくれよ。
- 最後に、金融リテラシーを高める努力をして欲しい。マネーリテラシーが欠けていると不幸を呼び込むことになるからね。マネーリテラシーというと「投資」など難しいことを思い浮かべるけど、一番大切なことは「収入>支出」というライフスタイルを身につけることなんだ。収入が増えるとライフスタイル・インフレーションという罠が待ち受けている。インフレと同じように、ライフスタイルが落ち込まないように、過熱しすぎないようにバランスよく暮らすことがコツだよ。
【まとめ】ジュニアNISAを子どもの「投資教育」に活用する
金融庁ではジュニアNISAを活用して子どもの金融リテラシーを高めることを期待していたようです。
やや長文ですが、金融庁HP「ジュニアNISAの使い方」の一部を抜粋してご紹介します。
「投資教育」
ジュニアNISAは子どもの投資教育にも活用できます。子どもが成長して一定の判断能力を備えるようになった後に、自分自身の口座が設けられていることで、早くから投資に関心を持ち、金融や投資の仕組みについて学ぶきっかけとなることが期待されます。また、投資にはリスクが存在するので、社会に出る前の早いうちから、金融や投資への理解や判断力といった、いわゆる「金融リテラシー」を身につける上でも、ジュニアNISAは有用と考えられます。
(金融庁HP「ジュニアNISAの使い方」より引用)
この記事を参考にして、子どもに親の想いや経験を伝えれば、子どもの投資教育としては十分なのではないでしょうか?
最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました。
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