資産を取り崩して生活するFIRE生活の最大のリスクは、長生きリスクでしょう。
具体的に、生涯資金計画をつくったことがある人はわかると思いますが、生涯資金計画で一番悩むのが、
いったい自分は、何歳まで生きるのだろうか?
ということ。
いろいろなパターンでシミュレーションしてみましたが、一番シンプルな答えは、
年金で生活資金の全てをカバーできれば、何歳まで生きても大丈夫
です。
年金で生活費をカバーできるのであれば、90歳どころか100歳まで、それ以上長生きしても安心です。望むまま長生きしましょう。
経済的自由のためにFIRE生活を送っているのに、長生きすると経済的に苦しくなる、長生きするモチベーションが下がる、というのは、本末転倒ですよね。
FIRE生活に朗報! 2022年の年金制度改正
これまでの年金繰り下げ受給は、65歳から70歳まで5年間の延長が上限でした。
それが、年金制度改正により、2022年4月から75歳まで10年間も延長できるようになりました。
年金繰り下げ受給のメリットは、1ヶ月受給を延ばすごとに0.7%ずつ受給額が増えることです。
つまり、
5年×12月×0.7%=42.0%
だった割増率が、
10年×12月×0.7%=84.0%
と2倍になる、ということです。
年金受給繰り下げによる年金収入の試算
これまでの生涯資金計画では、65歳から年金受給することを前提に年額1,700,000円と年金収入を見込んできました。
それが、年金受給繰り下げ制度を利用すると、以下のとおりとなります。
受給開始 | 年金額(年額) | 割増率 |
---|---|---|
65歳〜 | 1,700,000円 | - |
70歳〜 | 2,414,000円 | 42.0% |
75歳〜 | 3,128,000円 | 84.0% |
- 70歳繰り下げにより、60歳で退職と同程度の受給額(月20万円)になります。
- 75歳繰り下げにより、ゆとりのある生活(月25万円)を送れそうです。
生涯資金計画の見直し(長生きリスク対応)
2022年の年金制度改正に伴い、以下の方針で生涯資金計画を見直ししようと考えています。
- 年金受給繰り下げにより、75歳から年300万円(月25万円)を受給し、年金で全ての生活費をカバーする。
- 生活防衛資金として、別に2,000万円を確保する(75歳時点)。
ザクっとした計算では、
400万円×25年(50歳から75歳)=1億円
となりますので、年金受給なしで75歳まで乗り切れる上、2,000万円以上の生活防衛資金を確保できそうです。