こんにちは、FIRE父さんです。
FIRE達成から2年目に当たる2023年。「事業所得で月5万円稼ぐ」を目標として、クラウドワークスで「ライター」として活動を開始しました。
残念ながら月5万円以上の条件はクリアできませんでしたが、事業所得で月1万円以上稼ぐことができました。
さて、2月15日から確定申告の時期が始まり、FIRE父さんもはじめて事業所得の確定申告を経験しました。
この記事では、FIRE父さんがどのようにして最小の労力で確定申告を乗り切ったかをまとめました。
なお、FIRE父さんは簿記の資格を取得してから数年の経理事務を経験していますが、税理士等の専門資格を有しているわけではありませんのでこの記事の内容は参考程度にとどめてくださいね。
<前提条件>
- 事業所得は、クラウドワークスでのライター報酬のみ
- 発注者1者から継続して受注。報酬からの源泉徴収はなし
- 報酬は楽天銀行の個人ビジネス口座(普通預金)へ出金し、当面引き出さない
- 青色申告特別控除65万円の適用を受けるため、複式簿記で記帳する
- 消費税免税事業者。インボイス発行事業者の登録はなし
- 確定申告は、e-Taxで電子申請する
クラウドワークスの確定申告に最低限必要な5つの勘定科目
まずは、クラウドワークスの確定申告に必要な勘定科目を洗い出したところ、次のとおりわずか5つの勘定科目で済みました。
- 売上高[収益]:収益は発注者からの報酬のみ
- 支払手数料[費用]:費用はクラウドワークスのシステム利用料と振込手数料のみ
- 普通預金[資産]:資金は個人ビジネス口座(普通預金)で管理し、現金は扱いません
- 売掛金[資産]:報酬は出金するまで売掛金として管理します
- 当期純利益(元入金)[純資産]:当期純利益は期末に「元入金[純資産]」に振り替えます
「元入金」は個人事業ならではの勘定科目で、法人の「資本金」に相当します。
同じく個人事業ならではの勘定科目には「事業主貸」と「事業主借」がありますが、FIRE父さんは事業にお金を入れたり引き出したりする予定は当面ありませんから使用しません。
なお、次回は「受取利息[収益]」が発生する予定ですが、2023年中は楽天銀行の普通預金に利息はつきませんでした。
クラウドワークスの確定申告に最低限必要な3つの仕訳パターン
複式簿記に「仕訳」は欠かせません。
最低限必要な5つの勘定科目を組み合わせて、仕訳を行います。
発注者との間にクラウドワークスが入るため、次のとおり3つのタイミングで仕訳が必要になります。
それぞれ見ていきましょう。
(1)受注した仕事の納品・検収時の仕訳(ワーカー→発注者)
受注した仕事を納品・検収したときの仕訳は
(借方)売掛金 (貸方)売上高
として、売り上げを計上しました。金額はシステム手数料を含めた総額です。
売り上げを計上するタイミングには納品基準と検収基準のどちらかを選べますが、検収基準を採用することにしました。
検収基準では、納品時点ではなく発注者側の検収を終えたタイミングで売り上げを計上します。
なお、納品基準か検収基準か決めたら、頻繁にルールを変更することはできません。
(2)報酬の支払時の仕訳(発注者→クラウドワークス)
報酬が発注者からクラウドワークスに支払われたときの仕訳は
(借方)支払手数料 (貸方)売掛金
として、システム利用料を費用に計上しました。
クラウドワークス公式HPの「報酬」メニューでは
「この画面は振込手数料・組戻手数料・システム利用料・クイック出金手数料の適格簡易請求書になりますので、大切に保存してください。」
とあり、画面には「報酬・返金・手数料確定日」として報酬支払日が表示されているため、クラウドワークスのシステム利用料はこのタイミングで発生すると考えられます。
なお、クラウドワークスのシステム利用料は
システム利用料(税込)=(報酬額(税込)×20%)×110%[報酬額が10万円以下の部分]
として算出できます。
消費税込みの報酬額に対して20%をかけた金額がシステム利用料(税抜)となり更に消費税が10%加算されるため、報酬額が10万円以下の部分についてのシステム利用料(税込)は報酬額(税込)の22%です。
(3)報酬の出金時の仕訳(クラウドワークス→ワーカー)
ワーカーがクラウドワークスから報酬を出金したときの仕訳は
②(借方)支払手数料 (貸方)売掛金
としました。
①売掛金を回収して普通預金に預ける、②振込手数料を費用として支払うという2つの取引が発生しています。
なお、楽天銀行に個人ビジネス口座を開設して、クラウドワークスからの振込先口座に登録しているため振込手数料は100円です。良心的な手数料ですね。
出金方式は「キャリーオーバー方式」を選択し、まとめて出金することで振込手数料を節約しています。
青色申告特別控除に最低限必要な帳簿は「総勘定元帳」と「仕訳帳」
確定申告において青色申告特別控除(65万円・55万円控除)を受けるためには、複式簿記で記帳する必要があります。
必要な帳簿は、
- 主要簿:総勘定元帳、仕訳帳
- 補助簿:現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳など
です。
主要簿の「総勘定元帳」と「仕訳帳」は、そもそも複式簿記に不可欠な帳簿ですから必ず作成します。
なお、仕訳ができていれば、総勘定元帳と仕訳帳の作成は難しくありません。
補助簿については作成の必要性を感じないため、もし今後税務署から指導を受けたら作成しようと考えています。
補助簿の必要性を感じない理由は次のとおりです。
- 現金出納帳:楽天銀行の個人ビジネス口座で資金を管理するため、現金を使用する予定がない
- 売掛帳:取引先がクラウドワークスだけであり、総勘定元帳で売掛金を管理できる
- 買掛金:買掛金は当面発生しない
- 経費帳:クラウドワークスのシステム利用料と振込手数料だけであり、総勘定元帳で経費を管理できる
- 固定資産台帳:固定資産を保有する予定はない
なお、実質的に盛り込みべき内容がないため、これらの補助簿を作成しようと思えば作成自体に手間はかかりません。
青色申告特別控除に最低限必要な決算書類は「損益計算書」と「貸借対照表」
青色申告特別控除(65万円・55万円控除)を受けるために必要な決算書類は、
です。
なんとなく難しそうと思われるかもしれませんが、盛り込むべき内容が少なければ作成はとても簡単です。
正しく仕訳して総勘定元帳ができていれば、30分もあれば損益計算書と貸借対照表が完成しますよ。
正確な金額は伏せますが、損益計算書と貸借対照表のイメージは以下のとおりです。
最低限の損益計算書のイメージ
損益計算書では、期間中の収益と費用を明らかにしてその年の損益を算出します。
「売上高」と「支払手数料」の合計額がわかれば、次のとおり簡単に損益計算書が作成できます。
- 【収益】売上高 100,000円
- 【費用】支払手数料 22,100円(システム利用料22,000円、振込手数料100円)
- 【損益】当期純利益 100,000円 - 22,100円 = 77,900円
損益計算書の見方としては、
- 今年の「収益」は、ライター報酬で100,000円を稼いだ
- 今年の「費用」は、クラウドワークスへのシステム利用料と振込手数料で22,100円かかった
- 収益から費用を差し引いて、今年の利益は77,900円だった
という意味になります。
使用する勘定科目が少ないため、とてもシンプルですね。
最低限の貸借対照表のイメージ
貸借対照表では、年末時点の資産・負債・純資産の状況を明らかにします。
「普通預金」と「売掛金」の合計額がわかれば、次のとおり簡単に貸借対照表が作成できます。
【資産の部】(貸借対照表の左側)
【負債の部】(貸借対照表の右上)
なし
【純資産の部】(貸借対照表の右下)
- 当期純利益(元入金) 77,900円
貸借対照表の見方としては、
という意味になります。
なお、純資産の部の「当期純利益」は年末の決算仕訳で「元入金」という勘定科目に振り替えます。
クラウドワークスの確定申告を最少の労力で乗り切る方法まとめ
ここまで、クラウドワークスで稼いだ報酬について最少の労力で確定申告を乗り切る方法について説明してきました。
青色申告特別控除(65万円・55万円)のメリットはとても大きいですから、複式簿記で記帳して65万円控除を受けることが前提となります。
この記事のポイントは
- 5つの勘定科目だけでOK(①売上高、②支払手数料、③普通預金、④売掛金、⑤当期純利益(元入金))
- 3つの仕訳パターンでOK(①受注した仕事の納品研修時、②報酬の支払い時、③報酬の出金時)
- 必ず必要な帳簿は「総勘定元帳」と「仕訳帳」。いずれも正しく仕訳ができていれば、作成は難しくない
- 必ず必要な決算書類は「損益計算書」と「貸借対照表」。使用する勘定科目が少ないため、とてもシンプルな内容になる
でした。
ここまで整理できれば、e-Taxで必要な項目に入力して電子申請するだけです。
難しく思える「記帳」や「複式簿記」も一度仕組みを整えてしまえば、次の年からはぐっと手間が減ります。
クラウドワークスで仕事をはじめると仕事を軌道にのせるだけでも手一杯になりますから、確定申告にかける手間や費用は最小限に抑えて仕事に集中できるといいですね。
最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました。