ライフタイム・アロケーション(生涯時間の配分)とは
長期的な資産形成において、商品選びや売買のタイミングよりも、アセット・アロケーション(資産の配分)が重要であることは知られています。
人生においても、充実した生涯を送るためには、ライフタイム・アロケーション(生涯時間の配分)が重要なのではないか、と考えます。
ライフタイム・アロケーションでは、総生活時間を「自由時間」「拘束時間」「必需時間」の3つの行動区分に分けます。
自由時間 | 自分で自由に使える時間 |
---|---|
拘束時間 | 社会生活の維持に必要な時間(仕事、家事、学校) |
必需時間 | 生命の維持に必要な時間(睡眠、食事、入浴、トイレ) |
- 自由時間は、自己実現欲求を満たすための時間
- 拘束時間は、社会的欲求や尊重欲求を満たすための時間
- 必需時間は、生理的欲求や安全欲求を満たすための時間
というイメージになります。
FIREは、拘束時間を減らし、自由時間を劇的に増やす効果があります。
次に、どのくらい効果があるのか、試算してみましょう。
FIREによるライフタイム・アロケーションの変化
まず、自分の生活をイメージしながら、週単位のタイム・アロケーション表を作ります。
FIRE前は、こんな感じでしょうか。
平日 | 土日 | |
自由時間 | 4時間 | 7時間 |
拘束時間 | 10時間 | 7時間 |
必需時間 | 10時間 | 10時間 |
土日は、平日にできない家事をまとめてやったりするので、拘束時間がそこそこ多いです。
平日が5日、土日が2日なので、自由時間は週34時間です。
FIRE後は、こんな感じでしょうか。
平日 | 土日 | |
自由時間 | 8時間 | 8時間 |
拘束時間 | 5時間 | 5時間 |
必需時間 | 11時間 | 11時間 |
家事は、主婦レベルには至らないにせよ、毎日コツコツやって、5時間を見込みます。
必需時間は、勤め人の頃よりは、ゆったりと寝て、ご飯食べて、お風呂入って、で1時間延ばして11時間を見込みます。
毎日8時間なので、自由時間は週56時間です。
つまり、FIREによって、自由時間が週34時間から週56時間になり、自由時間が64.7%も延びることになります。
これを表にすると、次のとおりです。
なお、男性の健康寿命を想定して75歳までで作成しています。
FIRE生活 | FIRE前との差 | |
1日あたり自由時間 | 8時間 | +3時間 |
1週あたり自由時間 | 56時間 | +22時間 |
1年あたり自由時間 | 2,900時間 | +1,100時間 |
50歳〜65歳の自由時間 | 43,500時間 | +16,500時間 |
65歳〜75歳の自由時間 | 29,000時間 | なし |
まとめると、FIREによって得られるものは、次のとおりです。
- 自由時間16,500時間の上乗せ。50歳〜75歳の合計は、72,500時間に。
- 勤め人のときより、ゆるい拘束時間。ゆったり自分のペースで家事を。
- 必需時間を多めにとって、ゆとりのある睡眠、食事、入浴を。
ライフタイム・アロケーションを決めたら
アセット・アロケーションを決めたら、資産クラスに応じた金融商品を具体的に決めて、購入します。
同じように、ライフタイム・アロケーションを決めたら、「自由時間」の枠を、どんな行動に、どのくらいの時間を費やすのかを具体的に決めてから、実際に行動に移していきます。
FIRE後の自由時間に、何をして過ごすか?
とても重要なテーマなので、それは別に書こうと思います。