こんにちは、FIRE父さんです。
FIRE生活2年目に入ったFIRE父さんが、自身のマネープランを見直すシリーズの5回目です。
前回は、
- 「死ぬまで使わないお金」を宣言することで
- 残りのお金を80歳までに使い切る戦略
に基づいて、マネープランを見直しました。
これまで4回にわたってマネープランを見直してきましたが、前回で現時点でのマネープランはほぼ固まりました。
今回は、前回のマネープランに基づいて、投資資金の出口戦略について考えていきます。
FIREを決断したときの資金計画
投資資金の出口戦略を見直すにあたって、まずはFIREを決断したときの資金計画について振り返ってみましょう。
【ステップ1】総資産を「65歳までの資金」と「65歳以降の資金」に分ける
FIRE達成時点の総資産額は、1億1,500万円でした。
そして、総資産額を
- 65歳までの資金:4,500万円
- 65歳以降の資金:7,000万円
に分けました。
「65歳までの資金」は、65歳までの生活費の合計(年300万円×15年分)です。
「65歳以降の資金」は残りの金額ですが、65歳以降の生活費の合計を4,200万円と見込んでいたため、2,800万円のゆとりがありました。
当時は資金が枯渇する不安が強かったですから、
- 年金受給が開始する65歳からは、2,800万円のゆとりがあり運用益も見込めるから資金枯渇の心配はない
- 当面の目標は「65歳まで4,500万円の資金でしのぐこと」
と整理をして、不安を和らげていました。
「生きているうちにお金を使い切る」と考えるだけの心の余裕はなく、資金をどれだけ温存するか、資産寿命を延ばすか、という視点で資金計画を考えていましたね。
【ステップ2】「65歳以降の資金(7,000万円)」の投資と出口戦略
「65歳以降の資金」は、7,000万円です。
この資金は15年以上使わないため、長期の投資資金として考えていました。
投資戦略は、
です。
出口戦略は具体的に決めていませんでしたが、
- 投資信託の定期売却サービスを利用して、毎月定額を売却する
- 毎年の収支不足額120万円(月10万円)を売却額とする
くらいをイメージしていました。
【ステップ3】「65歳までの資金(4,500万円)」の投資と出口戦略
「65歳までの資金」は、4,500万円です。
65歳までは15年間ありましたが期間が長すぎるとイメージが湧かないため、5年ごとに区切って考えました。
- 50歳から55歳までの資金:1,500万円
- 55歳から60歳までの資金:1,500万円
- 60歳から65歳までの資金:1,500万円
ですね。
預貯金で保有しているのが一番安全ではありますが、5年以上使わないお金を預貯金で保有しているだけというのももったいない話です。
ということで、一部の資金で投資することにしました。
- 50歳から55歳までの資金:1,500万円(預貯金で保有)
- 55歳から60歳までの資金:1,500万円 → 55歳まで高配当株投資
- 60歳から65歳までの資金:1,500万円 → 60歳までインデックス投資
「65歳までの資金」のうち、3,000万円を投資に回すことになりました。
国内通貨比率が低すぎるという反省から、「65歳までの資金」は日本株式を中心に投資しています。
「65歳以降の資金」7,000万円と合計するとちょうど1億円の投資になりますが、1億円ポートフォリオとして全体でポートフォリオを考えています。
【ルール】安全資産を1,000万円以上は確保する
暴落などに備えるため、いつも預貯金などの安全資産を1,000万円以上確保しておくことをルールとして決めていました。
ですから、安全資産が1,000万円を切りそうなタイミングで投資資金を売却していくイメージです。
いま振り返ってみても悪くない資金計画だと思います。リアリティもありますし。
でも、今ならもっと良い資金計画を作ることができる自信があります。
マネープランの見直し結果(FIRE決断時とFIRE生活2年目の比較)
ここで、マネープラン見直しの結果をおさらいしておきましょう。
「FIREを決断したとき」と「FIRE生活2年目に見直したとき」で変更のあったポイントについて説明します。
【ポイント1】「資産寿命を延ばす」から「80歳までにお金を使い切る」へ
『DIE WITH ZERO』という本が流行り、感化されました。
お金を使わずに死ぬことは最大の無駄遣いです。お金は使ってこそ価値があります。
【ポイント2】「死ぬまで使わないお金」(2,800万円)を設定する
生きているうちにお金を使い切ることができれば理想的ですが、理屈ではわかっていても心理的に抵抗感があって使い切ることができないのも事実です。
だからこそ、使い切るためには工夫が必要です。
FIRE父さんは、あえて「死ぬまで使わないお金」を設定することで、残りのお金を80歳までに使い切るという戦略を選びました。
「死ぬまで使わないお金」2,800万円の具体的な内訳は、
- 預貯金:1,000万円
- NISA:1,800万円(生涯投資枠の満額。2024年〜2028年投資予定)
です。
「死ぬまで使わないお金」は「死ぬまで増えていくお金」ですから、お金を増やす楽しみを死ぬまで満喫することができます。また、「使い切る」ことに対する心理的な抵抗感を和らげてくれます。
【ポイント3】高配当株式を80歳まで保有して年60万円の配当収入を得る
FIREを決断したときのマネープランでは、高配当株式は55歳まで5年間だけ保有する予定でした。
しかし、実際に入金されてみると「現金収入って素晴らしい!」と感激しました。
配当収入は比較的安定していて、収入を見込みやすいこともメリットのひとつです。
そのため、高配当株式(日本株)は、80歳まで保有を続けることにしました。
生涯にわたって保有し続けるつもりだったのですが、
- 死ぬまでには投資資産をすっきりとシンプルにしておきたい
- 生きているうちに、できるだけ多くのお金を使い切りたい
と考えて、見直しました。
【ポイント4】家計簿をつけて生活費を精査し、生活費と贅沢費を分けた
地味ですが、家計簿をつけて生活費を精査することの効果は絶大です。
生涯の必要資金額が1,000万円単位で増減します。
FIRE父さんの場合は、生涯の生活費はFIRE前に考えていたときより激減しました。
その額はなんと、5,100万円の減額です。
浮いたお金は、贅沢費として80歳までに使い切る計画にしました。
ここまで、マネープラン見直しの結果についておさらいしてきました。
こうして比べてみると、計画がグレードアップしていることがはっきりしますね。
見直し前のマネープランでは、生涯の収支不足額が8,700万円でした。
見直し後のマネープランでも生涯の収支不足額は7,800万円で大きく変わりませんが、そのうち6,000万円は贅沢費であることがわかっています。
暴落時などには「贅沢費」は使わないこともできますから、安心感がぜんぜん違います。
FIRE生活2年目に見直したときの資金計画
FIRE生活2年目のいま、資金計画も見直ししました。
順番に見ていきましょう。
(1)「生涯使わない資金」(2,800万円)の投資と出口戦略
マネープランで説明したとおり「死ぬまで使わないお金」を2,800万円確保しました。
投資戦略は、
です。
出口戦略は、生涯にわたって売却しないです。
(2)「80歳までの高配当株投資」(1,200万円)の投資と出口戦略
もともとの計画では55歳頃にすべて売却する予定でした。
マネープランで説明したとおり、配当収入を確保するための高配当株式は80歳頃に売却する方針に変更しました。
投資戦略は、
- 高配当株式(投資資金1,200万円)を保有する
- 年60万円以上の配当収入を得る
です。
出口戦略は、80歳頃にすべて売却するです。
(3)「インデックス投資」(7,000万円)の投資と出口戦略
もともとの計画では65歳まで売却せずに保有し、65歳以降に少しずつ取り崩していく予定でした。
今回、この資金は50歳から80歳まで30年間にわたって定期的に取り崩すよう見直しをしました。
投資戦略は、
- 長期のインデックス投資(世界株式50%、海外債券25%、国内債券25%)
です。
出口戦略は、50歳から80歳まで30年間にわたって定期的に取り崩すです。
具体的な取崩し方法については、次の項目で説明します。
投資資金の出口戦略を見直す。インデックス投資(7,000万円)の取崩し方法
ここでは、インデックス投資(7,000万円)の取り崩し方法について詳しくみていきます。
インデックス投資資金は80歳までに使い切ることを前提としていますが、80歳までに資金を使い切るためにはどんな取り崩し方法が適しているでしょうか。
投資信託を定期売却する場合の選択肢(定額売却、定率売却、定口売却)
投資信託を定期売却する方法には、
- 定額売却
- 定率売却
- 定口売却
の3種類があります。
資産寿命を延ばすためには「定率売却」がよい
という理由から老後資金の取り崩し方法は「定率売却」を勧められることが多いです。
しかし、FIRE父さんの戦略は「80歳までにお金を使い切る」です。
お金を使い切ることを考えると、いたずらに資産寿命を延ばす必要はないのです。
お金を使い切る戦略を採用する場合には、
定めた期間内にすべての資金を売却することができる「定口売却」を利用する
ことが基本となります。
【定口売却の応用】ライフステージごとに売却する口数を変更する
定口売却の基本は、期間を通して同じ口数を売却することです。
しかし、FIRE直後から年金受給開始までの間により多くの資金を必要としますから、均等に同じ口数を売却するやり方ではすぐに資金不足に陥ってしまいます。
資金不足を避けるためには、ライフステージごとに売却する口数を変えることが大切です。
FIRE父さんのケースでは、
- FIRE直後から年金受給開始まで(50歳〜65歳)
- 年金受給開始から80歳まで(65歳〜80歳)
の2つにライフステージを分けました。
そして、必要資金額によって加重平均して算出したところ、
- 50歳〜65歳(15年間):4.87%相当の口数
- 65歳〜80歳(15年間):1.79%相当の口数
を毎年売却すればよいことがわかりました。
投資資金の出口戦略まとめ
ここまで、前回見直しをしたマネープランに基づいて、FIREを決断するときに考えた「資金計画」や「投資資金の出口戦略」の見直しを行いました。
「資産寿命を延ばして資金の枯渇を防ぐ」から「80歳までにお金を使い切る」に大きく舵を切りましたが、今回の見直しにより資金計画がスリムになって大胆にお金を使いやすくなったと感じています。
資金計画や投資資金の出口戦略が固まったところで、次回はいよいよ「運用益を加味したマネープラン」について考えていきます。
整理できましたら記事にしますので、ぜひご覧ください。